日本の宝くじの総売り上げの半分以上を占める会社があります。
それが日本ハーデスです。
日本勧業銀行OBが天下りする宝くじ会社、(株)日宝販の後継会社です。
現在も役員は、第一勧銀、みずほ銀行のOB中心です。
ここで簡単に宝くじ販売会社の歴史を振り返ってみます。
宝くじ販売は、勧銀時代に片岡一久宝くじ部長が基盤を作りました。
片岡氏は勧銀役員退任後、日宝販会長、南桜商事社長と2つの会社役員に就任。
前者は宝くじ販売の会社で、後者は勧銀関係のビルを管理する会社です。
その後、後者は商号変更で日新建物(株)となり、現在は日本土地建物(株)の持分法適用関連会社です。
日宝販は、第一勧銀、富士銀行、日本興業銀行の3行合併に伴い、みずほ銀行が発足する前に、(株)クロノスと名を変えます。
その後、勧翔(株)、さらにケイ・エス・オー(株)と商号変更を重ね、現在に至っています。
日本ハーデス(株)はナンバーズ、ロトといった数字選択式くじの開始に伴い、新たに設立された会社で、業務内容として日宝販の宝くじ業務全てを包括しています。
さらに、システム企画、開発、運用というコンピュータに絡む業務も追加。
傘下にハーデス・グループとして多くの会社を従えています。
ハーデス・グループ
社名と商号変遷 | 関連記事 |
日本ハーデス(株) | ハーデス・グループの中心会社 定款には宝くじ業務のほとんど全てを網羅している。 ■目的 1.宝くじの販売および当せん金の支払受託業務 2.宝くじ証票の封入封緘業務 3.コンピューターネットワークシステムの企画・設計・開発・管理・運営・保守の受託 4.情報処理サービス業、情報提供サービス業およびコンピューターネットワークシステムによる情報通信サービス業 5.金銭の貸付ならびに有価証券の保有・運用 6.損害保険の代理業ならびに生命保険の募集に関する業務 7.前各号の業務に付随する業務 |
日本宝くじ販売(株) →(株)日宝販 →(株)クロノス →勧翔(株) →ケイ・エス・オー(株) |
日本ハーデス(株)の前に宝くじ販売を牛耳っていた (株)日宝販の登記上の後継会社。 現在の定款には宝くじ販売は入っていない。 ■目的 1.有価証券の保有および運用ならびに金銭の貸付 2.不動産の所有、売買、仲介、管理ならびに賃貸借 3.前各号の業務に付随する一切の業務 |
(株)日宝業務センター →(株)タカラパック |
2019年3月31日-解散 宝くじの券組のみを業務とする会社。 ■目的 1.宝くじ証票の封入封緘業務 2.前各号の業務に付随する業務 |
(株)ソシエテアクセプタンス | 貸金業者 ■目的 1.金銭の貸付ならびに有価証券の所有・運用 2.損害保険の代理業ならびに生命保険の募集に関する業務 3.文書の作成、発送、受付業務の請負 4.前各号に付随する一切の業務 |
勧翔(株)から分割 →(株)クロノス |
ハーデス・グループの宝くじ売場を統括する会社。 ■目的 1.宝くじ販売用ボックス等の賃貸業務 2.前各号の業務に付随する業務 |
(株)企画研究所 | 宝くじに関する調査、研究や資料の収集、保存を行っている。 ■目的 1.宝くじに関する調査・研究ならびに資料の収集.保存 2.前号に付随する業務 ■宝くじモニター事務局 麹町共同ビル 2F→平河町第一生命ビルディング 2F →番町Mビル 2F |
(株)宝くじネット | 宝くじネットの運営を行っている。 ■目的 1.コンピューターネットワークシステムの企画・設計・開発・管理・運営・保守の受託 2.情報処理サービス業、情報提供サービス業およびコンピューターネットワークシステムによる情報通信サービス業ならびにコンサルティングに関する業務 3.インターネットを利用した通信販売業務ならびに通信販売の仲介 4.コンピューターソフトウェアの開発・製作・保守管理・販売ならびにコンサルティング業 5.市場調査・広告宣伝に関する業務 6.前各号の業務に付随する一切の業務 |
(株)HIT | 2017年3月31日-解散 ハーデス・グループのシステム関連業務を行っている。 ■目的 1.コンピューターネットワークシステムの企画・設計・開発・管理・運営・保守の受託 2.コンピューターソフトウェアの開発・制作・保守管理・販売ならびにコンサルティング業 3.情報処理サービス業、コンピューターネットワークシステム・コンピューターソフトウェアに関する情報提供サービス業およびコンピューターネットワークシステムによる情報通信サービス業ならびにコンサルティング業 4.前各号の業務に付随する一切の業務 |
(株)CSリサーチ | 顧客、市場に関するリサーチ、知的所有権の管理などを行っている。 ■目的 1.顧客満足度に関する調査・分析・資料収集 2.各種モニタリングの実施・分析 3.各種基礎資料の収集・整理・分析・保管 4.市場調査及びその整理・分析 5.知的所有権の所有・管理 6.業務の機械化・自動化・合理化等に関する研究開発 7.各種契約書の整理・保管 8.前各号の業務に付随する一切の業務 |
(株)ハーデス研修企画 →(株)研修企画 |
ハーデス・グループ社員の教育・研修を行っている。 ■目的 1.関係会社(日本ハーデスグループ)の社員等を対象とする以下の事項に関する教育・研修 ①商品販売力および顧客応対の向上 ②管理者(支店長・中間管理者)の管理能力向上 ③新入社員のための基礎知識習得 ④自己啓発推進 ⑤コンピュータ操作 2.前号の業務に付随する一切の業務 |
(株)タウンドリーム ※分割設立 |
現存の会社は分割設立して商号を譲渡されたもの ■目的 1.宝くじ販売および当せん金の支払い受託業務 2.スポーツ振興投票券の販売 3.スポーツ振興投票券の購入者を対象とする会員制度に係わる会員の受付・登録業務その他投票券の販売促進に係わる業務 4.前各号の業務に付随する一切の業務 ※タウンドリームが主幹の宝くじ売場業者団体 (一社)東京宝くじ協会 |
(株)明都物産 →(株)クロノスに合併解散 |
2016年4月1日-(株)クロノスに合併解散 売場周り設備の開発、販売、管理を行っている。 ■目的 1.宝くじ売場および什器備品の開発、販売、管理ならびに賃貸 2.宝くじ販売に用いる機器の開発、販売、賃貸ならびに保守管理 3.宝くじ販売事務等に関する文書の作成、諸用紙等の保管および発送業務受託 4.事務機器・事務用品、宝くじ販売に係る物品および各種雑貨の販売 5.事務用機器、輸送用機械器具什器備品の賃貸ならびに販売 6.有価証券の保有および運用ならびに金銭の貸付 7.損害保険の代理業ならびに生命保険の募集に関する業務 8.経営コンサルタント業務 9.前各号に付随する一切の業務 |
(株)ECO−LED →(株)明都物産に合併解散 |
LED関連商品の研究、開発を行っていた。 |
アールエフ・レボリューション(株) →解散 |
RFID(ICタグ)に関する研究・開発を行っていた。 後継会社はEXSAC(株) |
商号変更、合併、会社分割の早わかり図
地域別販売会社
1)大都市の日宝販後継販売会社
(株)エムエルシー | 東京日宝販の後継 | 販売地域:東京都 |
(株)ビーエヌシー | 千葉日宝販の後継 | 販売地域:千葉県、沖縄県 |
(株)ワイエルシー | 神奈川日宝販の後継 | 販売地域:神奈川県 |
(株)エーエルエム | 愛知日宝販の後継 | 販売地域:愛知県 |
(株)オーエルシー | 大阪日宝販の後継 | 販売地域:大阪府 |
2)地方別の宝くじ販売会社
※三文字アルファベット名会社と商事名会社が存在します。
(株)北海道商事 | 北海道 | |
(株)エヌエヌシー | 青森県、岩手県、秋田県、 宮城県、山形県、福島県 |
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(株)イーエルエム | 茨城県、群馬県、栃木県 | |
(株)埼玉商事 | 埼玉県 | |
(株)ティーエルエム | 新潟県、長野県、山梨県、 静岡県 |
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(株)中部商事 | 富山県、石川県、福井県、 岐阜県、三重県 |
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(株)ケーエルシー | 和歌山県、奈良県、滋賀県、 京都府 |
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(株)兵庫商事 | 兵庫県 | |
(株)シーエルシー | 鳥取県、島根県、岡山県、 広島県、山口県 |
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(株)四国商事 | 香川県、徳島県、高知県、 愛媛県 |
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(株)エスエヌシー | 福岡県、佐賀県、長崎県 | |
(株)南九州商事 | 熊本県、鹿児島県、宮崎県、 大分県 |
3)チャンスセンター(CC)系列外の宝くじ販売会社
宝くじ神社(株) | 岩手県 | |
七福商事(株) | 全国 | ※人脈が関連する会社→日本エヌ・ピー・アイ(株) |
ハーデス・グループの問題点
最大の問題点は第一勧銀総会屋事件の逮捕者と思われる名前の役員が現在・過去3名も役員となっていることです。
その事実を検証しているのが次の記事です。
1 | 第一勧銀利益供与事件における関係者 |
2 | 利益供与事件関係者名がハーデス・グループに見受けられる件 |
3 | ハーデス・グループと第一勧銀総会屋事件逮捕者名人物の履歴 |
日本ハーデスに関する一般紙の記事
●みずほ「秘中」の黒幕利権会社 2012年2月 |
FACTA (株)FACTAホールディングス |
●グリーンジャンボ史上最高5億円 「庶民の夢」宝くじ利権を貪る黒幕の総務省・みずほ銀行(1) 2012年3月15日 |
週刊実話 (株)日本ジャーナル出版 |
●グリーンジャンボ史上最高5億円 「庶民の夢」宝くじ利権を貪る黒幕の総務省・みずほ銀行(2) 2012年3月16日 |
週刊実話 (株)日本ジャーナル出版 |
●グリーンジャンボ史上最高5億円 「庶民の夢」宝くじ利権を貪る黒幕の総務省・みずほ銀行(3) 2012年3月17日 |
週刊実話 (株)日本ジャーナル出版 |
●宝くじ利権をしっかり組み込んだ総務省とみずほ銀行 2012年7月28日 |
ビジネスジャーナル (株)サイゾー |
●山口組と興業とカネの聖域 第3章-総務省とみずほ銀行がひた隠す「宝くじ」53%ピンハネのうまみ 2014年12月29日 発行 |
(株)宝島社 |
●知られざる宝くじの裏側 Part3-業界のドン「日本ハーデス」監視不能の統治体制の脆さ 2016年5月9日 発行 |
(株)ダイヤモンド社 |
●【宝くじの闇・上】還元率最低のボッタクリ…販売独占する日本ハーデス社の不透明な実態 2020年12月23日 発行 |
ビジネスジャーナル (株)サイゾー |
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Part3-業界のドン「日本ハーデス」監視不能の統治体制の脆さ より
登記簿を見渡すと、1997年の総会屋事件で有罪判決を受けた人たちと、経営陣の総退陣を訴えた中堅「四人組」のうち数人が、わずか3年前まで同じグループ内に役員として混在していた実態が見えてくる。 |