【世界連邦運動】世界連邦運動に関する国会発言【中野寛成】

三極委員会・世界連邦運動

意外なほど国会では語られておりません。

「世界連邦運動」で平成1年の最初から国会議事録検索してヒットするのは1件1発言のみ。
中野寛成世界連邦日本国会委員会 前会長の発言のみです。
ちなみに「世界連邦」で検索すると平成1年の最初からで29件です。

156 – 衆 – 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会 – 3号
2003年4月3日

中野(寛)小委員 今中山会長が言われましたことは、意外に知られていない事実を的確に御指摘いただいたと思います。
 いわゆる朝鮮半島の停戦協定の中で結ばれた国連軍というのは、形式上は存在をしている。ただ、それがいわゆる実効力を必ずしも伴っていない。しかし、何かあるときには、それぞれ派遣している国が会議を開いて、いろいろなアドバイスをしたりしているというその実態をもう少し国民が知ってもいいのではないかという気がいたしておりまして、さすが、会長に的確な御指摘をいただいたという感想を持ちました。
 せっかくの機会ですから、ちょっとそのまま引き続いて発言をさせていただきます。
 先ほど今川委員が最後に個人的な見解としておっしゃられたことですが、確かに突然聞きますと夢物語を言っているように思われるかもしれませんが、先般、中山正暉先生と私とで世界連邦の話をいたしました。大戦直後に湯川秀樹博士だとかいわゆる当時の物理学者が、地球を壊さないためにということで運動を始められた世界連邦運動というのがあって、国会でも当時、尾崎行雄それから初代の衆議院議長の松岡さんとかいろいろな方々が運動を起こされ、今でもその国会委員会というのはあるんです。そこではちょうど今川さんおっしゃられたことを、国連を発展させて、そして国連軍で国際警察の役割を果たし、それぞれの国々は軍隊を放棄してという、しかしそこへ持っていくためには現実論を解決しながら積み重ねていかないといけません。
 これを憲法との関係でいうと、私はドイツの基本法でよく例えますが、国の主権の一部を国際機関の決定にゆだねるというようなことなど、それから、この前、国際刑事裁判所の提案がありましたが、そういうふうなものをやはり積み重ねていって、そちらの方向へ構築をしていく努力が必要なのではないかなというふうに思っておりまして、これを単に夢物語にはしたくないな。そして、一気呵成にはいきませんから、いろいろな積み重ねの努力をやはりしていきたいな、そんな気持ちを持ちます。
 それから、きょうのテーマについては、いろいろな人がおもしろいことをいろいろな機会に言っていると思って、思い起こしながら聞いておりました。もう十年ぐらい前に国連へ行きましたときに、当時のユネスコの内紛を指して国連の幹部が言った言葉に、今の国連は少数の大国と多数の小国との間の葛藤ですという言葉を使われた方がいらっしゃった。これも非常におもしろいなと思います。しかし、その少数の大国の代表格であるアメリカが、多数の小国の数に物を言わせた主張に対して反発をし、なかなか思うようにいかないというので軍事行動を起こしたり、または国連の機関から脱退をしたり、分担金を払わなかったり、いろいろな抵抗を大国の方がするというケースだってあるわけです。
 そういう意味では、きょう野田さんからも大変貴重な御意見を聞いて、ほとんど内容的に私は異論はないわけですが、国連改革というのは、または国連民主主義というか、そういうものについて日本はもっともっと積極的に提言していく努力をしていく必要があるのではないかという感じがいたしておりますし、また日本国憲法もそうあるべきではないかという気がいたします。
 最後に、ODAについても、もう二十年ぐらい前のある古い言葉を思い出しました。
 これはシンガポールの当時のリー・クアンユー首相の言った言葉だと記憶していますが、当時の日本のインドネシアに対するODAを皮肉って、豊かな国の貧しい人のお金、すなわち日本国の国民の税金でという意味です、今ちょっと主客転倒している部分もあるかもしれませんが。そのお金で貧しい国の豊かな人をますます豊かにしているという言葉を言われたのをいまだに覚えております。すなわち、貧しい国、当時のインドネシアの特定の権力者たちをますます肥え太らせている。
 それは、まさに日本の初期の、今もなおその残滓が残っているODAの実態を的確に表現した言葉ではないか。そこからの脱却をいかに図っていくか、そして本当に必要なODAをどう構築していくかということは、憲法の問題とともに我々が考え続けなければいけないことだというふうに思います。

■参考記事
国際連帯税「検討委員会」設置の提言

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