カオス–wiki
カオス(Khaos)とは、ギリシア神話に登場する原初神である。「大口を開けた」「空(から)の空間」の意。
原初の神々
ヘーシオドスの『神統記』に従うと世界の始まりにあって存在した原初の神であるが、最初にカオスが存在したという意味ではない。世界(宇宙)が始まるとき、事物が存在を確保できる場所(コーラー)が必要であり、何もない「場」すなわち空隙として最初にカオスが存在し、そのなかにあって、例えば大地(ガイア)などが存在を現した。また、ヘーシオドスはカオスのことをカズム(裂け目)とも呼んでいる。
『神統記』によれば、カオスの生成に続いてガイア(大地)が生まれ、次に暗冥の地下の奥底であるタルタロスが生まれた。また、いとも美しきエロース(原愛)が生まれた。しかし、これらの原初の神々はカオスの子とはされていない。
カオスの子
カオスより生まれたものは、エレボス(幽冥)と暗きニュクス(夜)である。更に、ニュクスよりアイテール(高天の気)とヘーメレー(ヘーメラー・昼光)が生まれた。世界はこのようにして始まったと、ヘーシオドスはうたっている。