興深ネット:逆賊二階組の正体

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逆賊二階組の正体/1(pdf)

植草 私が大蔵省に入り、2年間竹中氏と同じ財政金融研究所にいたことは前に申しあ
げたとおりです。その研究所を創設した
実質的トップは長富祐一郎次長という方でした。
個人的には私も長富氏にいろいろとお世話になりました。この方はかなりの実力者で、

研究情報基金」という大蔵次官用の天下り組織を外部につくったのです。一種の公益
法人なのですが、
その資金を金融機関に拠出させた。オフィスまで金融機関に提供させ
たほど
です。
当初は年会費が1社300万円で、30社で1億円の拠出金というところからスター
トしました。1億円の資金が研究費に充てられるのですが、長富さんは1ヵ月おきに外
遊された。1回につき2~3週間程度の日程でアメリカ、ヨーロッパを中心に回ります。
もちろんアジアもオセアニアも行っているのですが、とにかく1ヵ月おきに外遊の計画
を立てる。その日程表をつくるのが、研究情報基金の幹部の仕事になっていたようなも
のです。
外遊に行く際の全日程の朝、昼、晩、すべてに金融機関の割り振り表がついて、接待
をする機関を大蔵省の研究所が定めていくのです。極端な例では一晩で数百万円の交際
費がかかるようなケースもあったと聞いていますが、金融機関がまさに大蔵省の傘下に
あったわけです。ちなみに研究情報基金の英語名称は「FAIR」(Foundation for Advanced
Information and Research)、「フェア」といいます。フェアとは考えられない「フェ
ア」でした。
この外遊が海外人脈をつくるプロジェクトの中心になっていました。海外の研究者も、
基本的には資金不足に悩んでいます。そこで日本の役所、あるいは基金から研究費とい
う名目で資金を提供する。この費用を出すことによって、彼らに大蔵省に都合のいい見
解を発表してもらう―こうした組織づくりです。
この外遊に頻繁に同行したのが竹中氏です。長富氏と一緒に海外を訪問し、そこでつ
くられたのが竹中人脈の源泉なのです。私は一度も外遊に随行しませんでしたが、財金
研がローレンス・サマーズ氏を招聘したときの世話係を命じられて、空港への出迎えか
ら、宿舎への案内、講演への随行などを担当したことがありました。

■(株)パソナ アドバイザリーボード メンバー(H19有報より)

石原信雄
児玉幸治
鷲尾悦也 2012年2月26日-ご逝去73歳
相原宏徳 2013年1月28日-ご逝去74歳
竹中平蔵

長富祐一郎・パソナ顧問-2013年1月24日-ご逝去78歳

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