「自治官僚」神一行著より–
大蔵省を圧倒する「内友会」パワー
自治官僚の地方制圧は、いまや戦前の”官選知事”の時代を思わせるかのように、四十七都道府県の十六ポストの知事職を押え、その予備軍といわれる副知事を二十ポスト傘下に組み入れている。
しかも、この勢いは何も地方だけの出来事ではない。最近は中央政界においても圧倒的な権勢を誇っているのである。その中枢をなすものが内務省系出身(旧内務省、自治省、建設省、労働省、警察庁)議員で組織されている「内友会」である。なんと、この会員は四十六人を数える大集団となっているのだ。
……
「内友会」の発起人の一人である片岡清一代議士(内務省、昭和十年組)が、結成の模様をこう語る。
「戦後、内務官僚議員から、まだ一度も総理大臣に就いたものがいなかったので、三枝三郎(昭和十五年組)、湯川宏(昭和十六年組)ら代議士と相談して、ひとつ中曾根総理を実現させようじゃないか、と呼びかけたんだ。それが内友会の始まり。初会合は五十六年の五月五日。ちょうど町村金五さん(大正十三年組、元参議院議員)が、勲一等旭日大綬章をもらわれたので、お祝いをかねて集まった。……」
内友会メンバー抜粋(1985年10月1日時点)
※肩書きは最終ポスト
■内務省
・片岡清一(衆/中曾根派/昭和10年入省)-東北管区警察局長
・原文兵衛(参/福田派/昭和11年入省)-警視総監
・奥野誠亮(衆/無/昭和13年入省)-自治省事務次官
・後藤田正晴(衆/田中派/昭和14年入省)-警察庁長官
・秦野章(参/無/昭和15年入省)-警視総監
・中曾根康弘(衆/中曾根派/昭和16年入省)-警視庁監察官
・宮沢弘(参/鈴木派/昭和18年入省)-自治省事務次官
・増岡康治(参/田中派/昭和21年入省)-建設省河川局長
・松浦功(参/田中派/昭和22年入省)-自治省事務次官
■自治省
・村田敬次郎(衆/福田派/昭和24年入省)-自治大学校研究部長
■警察庁
・亀井静香(衆/福田派/昭和37年入庁)-警察庁官房調査官
★第一次中曾根内閣の内友会メンバー
内閣官房長官-後藤田正晴
法務大臣-秦野章
自治大臣、国家公安委員会委員長-山本幸雄
行政管理庁長官-斎藤邦吉
※内務関係の重要ポジションを全部内務官僚出身者が占める。
「自治官僚」より–
中曾根の発言がときとして急進的な”右寄り”を示し、軍国的ニオイが漂うのは、こうした内務官僚の体質がその底にあるためなのである。
そして、中曾根内閣では影の宰相、官僚の頂点である、内閣官房副長官(事務方)は第3次まで全期通して、—
藤森昭一氏なのです。
※長野県、旧制松本中学(のち長野県松本深志高等学校)出身。内閣官房副長官、宮内庁長官、日本赤十字社社長などを歴任。勲等は勲一等旭日大綬章。日本赤十字社名誉社長。
旧制松本中学→長野県閥研究その1参照
■考察
内友会の発足は1981年5月5日とのことなので、既に片岡宝くじ部長はご逝去(1976年)されていますが、警察官僚(後藤田、秦野)とのそれ以前の人脈は→片岡一久宝くじ部長と人脈より千鳥会
民間では他に、中曾根総理といえば、ナベツネと鹿島でしょうね。
中曾根総理といえば、日の出山荘と通産大臣時代のサンシャイン計画。
日の出→サンライズ
■余談
カルチュア・コンビニエンス・クラブ–wiki
沿革より
2011年11月24日 – イオンモール日の出店(東京都日の出町)で、万引きされたCD商品を、未成年者が大量に持ち込んできたのを、通報していなかったことが発覚。
このレベルの事件ならマスコミは数ある事件の中から場所や人物名をピックアップ可能。
まあ、当てこすりです。