バチカンの秘密〜見えざる世界帝国の真実 【赤間剛著】 1985年5月31日 第1版第1刷発行 |
●第九章 バチカンの対日戦略 362pより
現在日本には五大宗教系列がある。 ①の神社本庁は全国八万社の旧国家神道の系列で、天皇制復活と強い反共主義を旗印とする右派教団である。 ②の教派神道連合会は、同じ神道系ながら反天皇制で政治的には中道路線を行く。 ③の全日本仏教会は左右の政治思想があるが、基本的には反共主義である。 ④の日本キリスト教連合会はプロテスタント連合体と日本カトリックの二つからなる。前者がやや”左”で、天皇制に強く反対し、後者は”右”的な体質をもつ。日本のカトリックは伝統的に天皇制に親近感を抱いている。 ⑤の新宗教連合会は八十五教団(千二百万人の信者)からなる。このうち最大の教団は立正佼成会(五百六十万)とPL教団(三百万)の二つである。新宗教連合会は戦後日本におけるアメリカの占領政策から生れた。新宗教をして、戦前の国家神道という右翼的体質をもつ神社本庁と既成仏教を押さえつつ、反共主義をつらぬくという二重戦略の産物だったのである。 |