「取締役宝くじ部長〜異端のバンカー・片岡一久の生涯/大山真人」より
企画部というのは、勧銀全体を支える取締役、各部部長、支店長といった経営陣の調整をはじめ、最も重要な大蔵省関係の窓口になる部で、さらに子会社の取締権を一手に握る、勧銀の中枢機関である。(P273)
【考察】
大蔵省関係の窓口といえば、かつてのMOF担ですね。
1997年の総会屋利益供与事件時、第一勧銀の改革を行った「四人組」の一人、藤原立嗣企画部次長(当時)もMOF担でした。
銀行の中枢といえば、もう一つ秘書室があります。トップと行動を共にする秘書室長には一般行員が知り得ない情報が集約して当然です。
さて、第一勧銀で、この秘書室長と企画部長の両方に就任した人物が二人おります。
一人は(株)日宝販の代表取締役となり、一人は日新建物(株)(旧・南桜商事)の代表取締役となりました。
片岡一久宝くじ部長も自分が興した、これらの会社の代表に就任したのは書きました。
第一勧銀の人事を見ていると、上の「取締役宝くじ部長」でも書かれているように、過去からずっと人事がコントロールされていることが分かります。
第一勧銀の場合は、情報が拡散しないように、特定の人間または局所に集約しようという動きが見て取れるのです。
その情報とは一体何なのでしょうか?
現在、みずほFG代表取締役社長の塚本隆史氏も、杉田力之みずほ銀行頭取時の秘書室長でした。
この後、塚本氏の後任がどういう経歴の方になるのかは要注目です。